飲みやすくしようとする工夫が、思わぬ健康被害や薬効の減退を引き起こすケースも存在します。ネット上の一部の不正確な情報に惑わされず、漢方薬混ぜてはいけないもの真相を正しく把握しておく必要があります。
第一に警戒すべきは、「酸味の強い柑橘系ジュース(オレンジジュース、グレープフルーツジュース、アップルジュースなど)」です。酸味成分であるクエン酸や果糖は、多くの生薬に含まれるアルカロイドと化学的に反応し、かえって鋭利な苦味や強烈なえぐみを強調させてしまう性質を持ちます。苦味を消すつもりでジュースに混ぜた結果、吐き気を催すほどの不快な味覚に変化してトラウマを植え付ける失敗例は非常に多く報告されています。
第二に、「牛乳・乳製品ドリンク」による吸収阻害です。牛乳に含まれる高濃度のカルシウムやタンパク質(カゼイン)は、特定の生薬成分とキレート結合を起こし、腸管からの吸収効率を著しく阻害するリスクがあります。特に生薬成分の微細なバランスで成立している漢方処方において、乳製品での服用は薬理動態を狂わせる恐れがあるため推奨されません。
さらに、乳幼児への服薬における「ハチミツ」の使用は厳禁です。乳児ボツリヌス症の危険性があるため、1歳未満の乳児には絶対にハチミツを混ぜてはいけません。また、服薬ゼリーを電子レンジで温めたり熱湯をかけたりすると、ゼリーのゲル化構造が崩壊して水分が分離し、気管への誤嚥(ごえん)リスクが跳ね上がる点も看過できない盲点です。