アニメーション制作を手掛ける株式会社シンエイ動画と、放送局である株式会社テレビ朝日は、この繊細な問題に対して決して思考停止したわけではない。
ただ安易にシーンを全カットするのではなく、状況設定や見せ方に緻密なアップデートを施している。例えば、ドアを開けた瞬間に直接湯船を見せるのではなく、脱衣所のタオルや立ち込める蒸気だけで状況を察知させる演出、あるいは別の部屋へと着地させるコミカルな軌道修正だ。
映画シリーズにおいてもその意識は鮮明に表れている。『STAND BY ME ドラえもん』のような3D CG表現ではリアリティが増す分、肌の露出に対して一層きめ細やかな配慮がなされた。近年の『映画ドラえもん のび太の地球交響楽』をはじめとする劇場版でも、過剰な刺激に頼らず、ストーリーテリングの純粋な面白さと音楽の躍動感で子どもたちを惹きつける試みが結実している。