沸騰を避けるべき理由は、味や栄養面だけにとどまりません。キッチンで起きる重大な事故原因のひとつである「突沸(とっぷつ)現象」を防ぐためでもあります。
突沸とは、液体が沸点に達しているにもかかわらず泡立たずに静止している状態(過加熱状態)から、スプーンを入れたり鍋を動かしたりしたわずかな刺激をきっかけに、一瞬で爆発的に沸騰して熱湯や具材が四方へ吹き飛ぶ現象を指します。
味噌汁は、出汁の中に溶け残った大豆の微粒子や麹の粒が浮遊しており、液体全体の粘度が高くなっています。そのため鍋底に対流が起きにくく、底に熱が異常に蓄積しやすい構造をしています。弱火で静かに温めている時や、電子レンジで再加熱した際に突沸が起きやすく、顔や手に重い火傷を負う事例が後を絶ちません。安全管理の観点からも、必要以上の過熱は絶対に禁物です。