日常の惣菜という枠組みを軽やかに超え、高級グルメの領域でも手羽中は脚光を浴びている。その先頭を走るのが、日本三大地鶏の筆頭である名古屋コーチンをはじめとする銘柄鶏たちだ。平飼いで十分な運動量を確保して育てられた地鶏の手羽中は、肉質が極めて引き締まり、濃密な脂の甘みと強い歯ごたえを併せ持つ。
都市部の薪火グリルレストランやカウンター割烹では、こうしたプレミアム手羽中に炭火の燻香をまとわせ、シンプルに粗塩とスダチだけで供するスタイルが食通たちの舌を唸らせている。大衆的な親しみやすさと、極上素材が織りなすハイエンドな味わいのギャップが、新たな食の付加価値を生み出している。