主演を務めたルーク・ウィルソンの存在感も、本作の魅力を決定づけた要因だ。失恋の傷が癒えない主人公の繊細さと情けなさを、抜群の間合いと親しみやすい人間味で見事に体現してみせた。
当時の撮影スタッフが語る密着取材の記憶によれば、彼は空き時間になると、共演している犬たちとひたすら芝生の上で戯れていたという。演技を超えた本物の友情が犬たちとキャストの間に芽生えていたからこそ、観客の心を捉えて離さない名シーンが生まれた。共演した実力派キャスト陣とのテンポ良い掛け合いも、今なお古びない鮮烈な輝きを放ち続けている。