テレビカルチャーにおける視覚的トレンドの変化も見逃せない。『アメトーーク!』をはじめとするトークバラエティでは、芸人たちの細かな表情の変化やアイコンタクトの妙が緻密にフィーチャーされてきた。さらに、TVerをはじめとする見逃し配信やスマートフォンでの視聴習慣が定着したことで、画面越しにタレントの目元や微細な表情をじっくり鑑賞するカルチャーが急速に育った。
かつてのテレビのように大袈裟に目を見開くリアクションよりも、すっと細めた目で皮肉を利かせたり、ふいに破顔したりする「引き算の表現」が、現代の視聴デバイスと絶妙にマッチしている。過度な主張をしない「塩顔」のすっきりとした顔立ちが、長時間の視聴でも疲れない心地よさを提供している側面もあるだろう。