「もっと難しい教材をやらないと成長しないのではないか」――そう考えて難解なニュース記事や専門書に手を出し、数日で挫折した経験は誰にでもあるはずだ。
だが、実際に短期間で「生きた英語力」を身につけた学習者たちの行動パターンを追うと、真逆の事実が浮かび上がる。彼らが最初に取り組んだのは、拍子抜けするほど簡単な童話や、中学生レベルの短文を徹底的に発声し、体に染み込ませることだった。
基礎的な骨格が固まっていない状態で「難しい表現」をいくら詰め込んでも、実際の会話で口から出てくることはない。アウトプットのスピードを殺す最大の敵は、頭の中で行う複雑な翻訳プロセスだ。あえて「簡単な表現」に絞り込み、反射神経を鍛えた人から順に、実生活でのブレイクスルーを果たしている。