時を遡ること2013年夏。テレビ朝日系の情報番組『報道ステーション』に単独出演した安藤美姫は、同年4月に第1子となる女児を出産していたことを突然告白した。現役復帰を目指す真っ只中での電撃発表であり、スポーツ界全体に激震が走った。日本スケート連盟や国際スケート連盟をはじめとする競技関係者にとっても、まさに寝耳に水のニュースだったのだ。
しかし、祝福の声と同時に巻き起こったのが「父親は誰なのか」という苛烈な追及だった。彼女自身が相手の氏名を公表しない意向を明確にしたことで、メディアの取材合戦は過熱の一途をたどる。アスリートとしてのプライベートを守るべきか、公人のプライベートとして報じるべきか。当時の芸能スポーツジャーナリズムにおいても、表現とモラルの境目をめぐる議論が過熱した。