元ヤクザ専門誌の編集長でありジャーナリストの鈴木智彦氏が、自ら現場へ飛び込んで結実させた『サカナとヤクザ』。本作が暴き出した最大の功績は、築地市場・豊洲市場という日本中枢の巨大水産ビジネスの深層に潜入し、密漁ビジネスと暴力団の癒着構造をクリアに描き出した点だ。
潜入取材によって明かされたのは、地方の海岸線で違法に採取された水産物が、複雑な偽装伝票やダミー会社を経由することで、またたく間に「正規の流通品」へとロンダリングされる実態だ。2026年最新の現場取材によれば、価格が高騰し続ける高級食材市場を狙い、裏社会の資金源は従来の泥臭い手口から、さらに高度化されたマネーロンダリングの手法へと進化を遂げている。私たちが日常で消費する水産物の流通網には、依然として不透明な暗部が残されたままだ。