戦後、昭和の高度経済成長期を迎えると、日本の食品産業は目覚ましい進化を遂げる。ここで登場するのが「大判焼き」と「回転焼き」という二大勢力だ。「大判焼き」の由来には諸説あるが、愛媛県の焼き型メーカーが従来よりも一回り大きな型を開発し、愛媛の愛称「大判」や当時の映画ブームから命名して全国に型機を売り歩いたことがきっかけと言われている。大きなサイズ感と景気の良い名前が受け、瞬く間に全国の商店街やスーパーの店頭に広がった。
対して「回転焼き」は、円形の焼き型が並んだ鉄板をくるくると回転させながら効率よく焼き上げる特殊な製法機器から名付けられた。特に大阪や京都などの上方商人たちは、この回転式の機械を積極的に導入し、実演販売のパフォーマンスとして通行人の目を惹きつけた。大量生産を可能にした食品産業の技術革新が、そのまま「回転焼き」という呼び名を近畿から九州へと広げる原動力となったのである。