飯田洋輔を語る上で欠かせないのが、同じく元劇団四季(現在は外部舞台でも大活躍中)の実弟、飯田達郎の存在です。兄弟で同じトップ劇団に所属し、ともに看板俳優として大役を射止めた例は演劇史でも極めて稀有なケースといえます。
特に『ノートルダムの鐘』において、兄の洋輔と弟の達郎がともに主人公カジモド役にキャスティングされた事実は、ファンの間で「奇跡の兄弟」として語り継がれています。兄・洋輔が持ち前の重厚な声と包容力で苦悩する怪物を重厚に描き出したのに対し、弟・達郎は少年のような無垢さと突き抜けるハイトーンで胸を締め付けるカジモドを熱演。互いの解釈をリスペクトし合いながら、ひとつの作品を高め合いました。
兄弟関係にありがちなドロドロとした嫉妬や確執とは無縁で、二人は折に触れて合同イベントやメディアで共演を果たしています。お互いの歌唱技術を誰よりも客観的に批評し合える同志としての関係性は、独立後の現在も揺らぐことはありません。二人が並び立つコンサートのステージでは、遺伝子レベルで溶け合うハーモニーが観客を圧倒しています。