抜歯した歯の根の先端に付着している赤黒い肉のような塊や、白っぽいゼリー状の組織。この病変の正体は、医学的には主に「根尖性歯周炎(こんせんせいししゅうえん)」に伴う根尖肉芽腫(こんせんにくげしゅ)、あるいはそれが進行して内部に液体が溜まった「歯根嚢胞(しこんのうほう)」です。
発症のメカニズムは明確です。重度の虫歯や過去の神経の治療(根管治療)の不備、あるいは歯への強い打撲などによって歯髄(神経と血管)が壊死すると、歯の内部にある根管が細菌の温床となります。細菌が根の先端にある細い穴(根尖孔)から骨の中へと漏れ出すと、生体の免疫システムがこれに反応します。
白血球などの免疫細胞が細菌と戦い、その戦いの残骸が膿となります。身体は感染が骨全体へと無制限に広がるのを防ぐため、病巣の周囲を線維性の結合組織で壁のように囲い込みます。これが、レントゲンで黒い影として写り、抜歯時に歯と一緒に引き抜かれる「袋」の正体です。
この袋の内部では、嫌気性菌が活発に活動して硫化水素やメチルメルカプタンといった強烈な悪臭物質を産生します。そのため、自覚症状が少ない段階であっても、頑固な膿の袋 口臭 原因として周囲に気づかれるケースが珍しくありません。