彼のお茶の間での知名度を決定づけたのは、何と言ってもあのCMだった。美味しい酒と料理を前に、飾らない笑顔で盃を交わす姿。「まる」の掛け声とともに日本中の食卓へ届けられた親近感は、彼自身の温厚な人柄と重なり合い、爆発的な人気を獲得するに至る。
単なるタレントのコマーシャル出演にとどまらず、商品そのもののイメージキャラクターとして長年にわたり愛され続けた背景には、彼の持つ「嘘のない存在感」があった。気取らず、威張らず、どこか哀愁を漂わせながらも底抜けに温かい。あのCMは、彼という俳優の人間性が凝縮された奇跡的な数十秒間だったと言っても過言ではない。