ネット上の掲示板やSNSで飛び交う「ベネッセの在宅採点は稼げない」という言説は、単なる誇張ではありません。この評価が生じる最大の理由は、給与体系が完全出来高制(1問あたりの単価精算)で設計されている点にあります。
実際の採点業務では、記号選択や短答形式の単純な設問で1問あたり約1円〜3円、国語や英語の記述・論述形式で1問あたり10円〜数十円程度が支払われるケースが一般的です。一見すると手離れが良さそうに見えますが、初心者が作業を始めた直後は、採点基準書(マニュアル)の確認や例外的な誤答パターンの照会に膨大な時間を奪われます。その結果、最初の数十時間は「時給換算で500円〜700円程度」にしかならないという事態が頻発するのです。
一方で、マニュアルが完全に頭に入り、キーボードショートカットや専用の採点コンソールを淀みなく操作できる熟練者になると、1時間あたり数百問を淡々と処理できるようになります。この段階に到達した作業者からは「時給換算で1,100円〜1,300円水準まで向上した」との報告もあり、最低賃金の水準を上回る効率を叩き出すことも不可能ではありません。しかし、そこに至るまでの「無報酬に近い習熱トレーニング期間」を許容できるかどうかが、稼げるか否かの決定的な分水嶺となっています。