美容医療の現場や皮膚科クリニックの診察室では、セルフケアに失敗して駆け込んでくる患者の生々しい声が日常的に聞かれます。ネット掲示板やSNS上で語られる「自力除去の体験談」の裏には、多くの後悔と代償が隠されています。
ある30代女性は、目元の白いポツポツが気になり、消毒したと称する縫い針で先端を突いて押し出そうと試みました。一瞬、白い粒の一部が出たように見えたものの、翌朝には患部が倍以上に腫れ上がり、激しい痛みと赤みが発生。結果として皮膚科で抗生物質の内服治療を受ける羽目になり、炎症が治まった後も茶色い炎症後色素沈着(PIH)が半年以上残る結果となりました。
また、「放置していれば自然に治るのではないか」という疑問も多く見受けられます。乳幼児に生じる先天性の稗粒腫は、数週間から数ヶ月のターンオーバーによって自然脱落することが一般的です。しかし、大人の皮膚に生じた稗粒腫は袋の構造が強固に完成しているため、何年も自然消失せずにそのまま残り続けるケースが大半です。放置して悪化すること自体は稀ですが、「自然に消えるのを待つ」という選択肢は成人においては現実的な解決策になりにくいのが実情です。