朝ドラの歴史を語る上で欠かせないのが、ビデオリサーチが計測してきた世帯視聴率の推移です。昭和から平成初期にかけてのテレビ黄金期には、40%を超える平均視聴率が当たり前のように記録されていました。その頂点に君臨するのが、1983年に放送された第31作『おしん』です。
おしん最高視聴率記録である62.9%(1983年11月12日放送・関東地区)は、日本のテレビドラマ史における不滅の最高到達点です。過酷な丁稚奉公に耐えながら懸命に生きるヒロインの姿は、日本国内にとどまらず世界数十カ国で熱狂的な支持を集め、「オシノミクス」と呼ばれる経済効果まで生み出しました。初回から圧倒的な数字を叩き出した作品としては、1971年の『繭子ひとり』が記録した朝ドラ初回最高視聴率51.0%も語り草となっています。
一方で、ライフスタイルの多様化と娯楽の分散に伴い、2000年代後半以降は全体的な数字の地盤沈下が起こりました。いわゆる「朝ドラ冬の時代」に突入し、歴代ワーストランキングの上位に並ぶ数字が記録されることになります。
上記のように、朝ドラ平均視聴率一覧を俯瞰すると、1980年代までの30〜50%台、1990年代〜2000年代前半の20%台前半、そして2010年以降の15〜20%前後へとベースラインが移行している実態が浮き彫りになります。