1996年に放送を開始した『いないいないばあっ!』は、乳幼児(0〜2歳児)を主対象に据えた画期的な試みとしてテレビ放送業界に大きなパラダイムシフトをもたらした。まだ言葉を覚えたて、あるいは言葉以前の感覚で世界を受け止める子どもたちに対し、映像のテンポや色彩、音楽の鳴らし方を徹底的に科学して作られた番組である。
その中心に君臨したのが、大きな緑の体に無尽蔵のエネルギーを秘めたワンワン(キャラクター)だった。そして2007年春、4代目おねえさんとして登場したのが当時小学3年生の空閑琴美である。彼女の加入によって番組のダイナミズムは一変した。作り込まれた台本をなぞるだけではない、生き生きとしたアドリブの応酬。子ども特有の予測不能なリアクションと、それを完璧に受け止めて笑いに変えるワンワンの包容力が、唯一無二のグルーヴを生み出したのだ。
制作を担うNHKエデュケーショナルの緻密な構成力と、スタジオ現場で炸裂する生の演劇的エネルギー。この奇跡的な配合こそが、歴代ペアの中でもとりわけ強い印象を残す黄金期の原動力となった。