「炊いたご飯全体に魚臭さが染み付いて子どもが食べてくれない」というトラブルも、下処理の工程を少し見直すだけで完全に解消できます。魚介類の生臭さの主成分は、鮮度低下や冷凍保存中に生成される「トリメチルアミン」と呼ばれるアルカリ性の揮発性物質です。この物質は水分に溶け込みやすいため、解凍時に流れ出るドリップの中に高濃度で凝縮されています。
ネット上で散見される「電子レンジでの急速解凍」や「水道水にそのまま浸す流水解凍」は、最も避けるべき悪手です。真水に浸すと浸透圧の差によって魚介の細胞膜が破裂し、旨味であるグルタミン酸やグリシンがドリップとともに外部へ流出する一方で、生臭い水分が身の内部へ逆戻りしてしまいます。専門家が推奨する解凍法は「海水と同濃度の3%食塩水(水200mlに対して塩小さじ1強)」への浸漬です。
塩水に15〜20分浸して半解凍状態にした後、キッチンペーパーで表面のドリップを完全に拭き取ります。さらに、白ワイン大さじ1〜2を揉み込むことで、ワインに含まれる酒石酸やリンゴ酸がアルカリ性のトリメチルアミンを化学的に中和(マスキング)し、揮発を抑えます。この「塩水解凍+水気オフ+白ワイン」という3段階のステップを踏むだけで、炊飯時の蒸気から嫌な臭気が一切消え去り、上品な洋風の芳香へと昇華します。