入浴施設における刺青・タトゥーの扱いは、訪日外国人観光客の増加に伴って最も議論が白熱する領域だ。伝統的に多くの銭湯や温泉旅館では「入れ墨・タトゥーのある方の入浴お断り」という一律のルールが掲げられてきた。しかし、海外からの旅行者の増加や多様性への配慮が求められる中で、固定観念は見直しを迫られている。
日本温泉協会や観光庁は、施設側に対して一律の拒否ではなく柔軟な対応を検討するようガイドラインを提示している。現場では、専用のカバーシールで刺青を隠せる場合は入浴を許可する試みや、家族風呂・貸切風呂の利用案内、さらには時間帯別で利用枠を分けるといった多角的なアプローチが広がり始めた。銭湯文化の静寂と安心感を守りつつ、多様なゲストを歓迎する着地点を探る模索は、今まさに全国の温泉街で繰り広げられている。