大谷翔平という稀代の才能を預かった花巻東高等学校の佐々木洋監督は、単なる勝利至上主義に走らなかった。「先入観は可能を不可能にする」という指導方針のもと、大谷に限界を設けない環境を用意した。有名なマンダラチャート(目標達成シート)の活用もその一つだ。運や人間性、メンタルまでも数値化・構造化して鍛え上げる徹底した自己管理術が叩き込まれた。
当時、現場では表に出なかった育成エピソードも数多い。あえて過度な投げ込みを制限し、骨の成長スピードに合わせた栄養管理と柔軟体操を徹底させた。1日何杯ものどんぶり飯を食らい、夜は徹底した睡眠時間を確保する。無理な負荷を避けて身体の器を大きくする指導陣の忍耐があったからこそ、プロ入り後、そして海を渡った後も壊れない強靭な肉体が完成した。