モリアに対してこれほど強固な死亡説が定着した原因を紐解くには、彼が辿った2つの致命的な事件を振り返る必要があります。
1. マリンフォード頂上戦争におけるドフラミンゴの強襲劇
最初の死亡疑惑は、白ひげ海賊団との頂上戦争の終結直後に発生しました。深手を負っていたモリアの前にドンキホーテ・ドフラミンゴとパシフィスタ部隊が立ち塞がり、冷酷な粛清を宣告します。「七武海の称号を背負うには力不足」という理由で仕掛けられたこの襲撃について、ドフラミンゴは命じた黒幕を「もっと上だ……センゴクよりな」と示唆しており、世界政府最高権力・五老星クラスからの暗殺命令であったことが判明しています。
その後、ドフラミンゴは政府高官に対し「モリアは突如として目の前から消え失せた」と報告しました。当時はカゲカゲの実の影武者能力(カゲムシャ)による脱出とも推測されましたが、真相はスリラーバークの忠臣・アブサロムがスケスケの実の透明化能力を駆使し、瀕死のモリアを戦場から抱きかかえて連れ去ったことによる救出でした。しかし、この事実が明かされるまでに長い年月を要したため、世間的には「政府によって秘密裏に処刑された」という認識が広がることになりました。
2. ハチノスでの「黒ひげ」ティーチとの対峙と絶望
第2の危機は、新世界・海賊島ハチノスへの単身乗り込みです。部下のアブサロムが音信不通となったことを察知したモリアは、ゾンビ兵を引き連れて黒ひげ海賊団のアジトへ直接カチコミを敢行しました。かつてカイドウに仲間を全滅させられたトラウマを持つモリアにとって、部下を見捨てるという選択肢は存在しなかったのです。
そこで彼を待ち受けていたのは、極めて残酷な現実でした。アブサロムはすでに惨殺されており、その能力であったスケスケの実は雨のシリュウへと能力強奪されていたのです。ティーチは嘲笑混じりにモリアへ傘下に入るよう勧誘しますが、かけがえのない部下を奪われたモリアがこれに応じるはずもありません。交渉決裂の結果、モリアは拘束され、ハチノスの地下深くへと監禁されることとなりました。