島根県西部に位置する浜田市で日常的に親しまれている「赤天」は、白身魚のすり身を主原料にした揚げかまぼこの一種です。しかし、一般的なさつま揚げや天ぷら(西日本での揚げかまぼこの呼称)とは外見も構造も大きく異なります。
最大の特徴は、すり身に練り込まれた赤唐辛子と表面のパン粉です。一般的なさつま揚げが魚本来の甘みや具材の食感を生かした素揚げであるのに対し、赤天はコロッケやカツのように細かなパン粉をまとわせて揚げられています。断面を切ると、鮮やかなサーモンピンク〜赤色が顔を覗かせ、食欲を強く刺激します。
一口かじると、パン粉のサクッとした軽快な歯ざわりに続いて、魚肉のプリッとした弾力とジューシーな旨味が押し寄せます。直後にピリッとした唐辛子の辛みが後を追い、後味を引き締めてくれます。この「魚の旨味×刺激的な辛さ×クリスピーな衣」の三重奏こそが、他の練り製品にはない赤天ならではの魅力です。