この盛り上がりは、スタジオの内部だけに留まらない。すでに外食産業全体が、この潮流を敏感に察知して動き出している。チェーン店にはない「温もり」や「物語」を求める若年層の間で、昭和レトロな大衆食堂やクラシックな居酒屋への回帰現象が加速しているのだ。
効率化とデジタル化を極限まで推し進めた現代社会だからこそ、不器用な店主が差し出す一杯の汁もの、隣り合わせた見知らぬ客との他愛のない会話に価値が宿る。単なる食事の場を超えて、人と人とが繋がるセーフティネットとしての食堂。そこで紡がれるヒューマンドラマは、疲弊した都市生活者の心を捉えて離さない。