大手レビューサイト「食べログ」における圧倒的な点数と、世界基準の指標である「ミシュランガイド」の審査員たちからの熱い視線。これらが重なり合えば、結果として生まれるのは熾烈なシート争奪戦だ。わずか8席の白木カウンターは、毎月の予約開始から数秒で数か月先まで埋め尽くされる。
「予約困難店」という言葉が定着して久しいが、この店の場合は希少性を意図的に演出したものではない。客一人ひとりの咀嚼のテンポ、酒を口に含むタイミングにまで寄り添うもてなしを貫こうとすれば、席数を絞り込むのは必然だ。大量消費の時代に真っ向から抗うこの誠実さこそが、評価を不動のものにしている。