東京都の最新の防災・被害想定において、東京湾沿岸に影響を与える主なシナリオは「元禄型関東地震」と「南海トラフ巨大地震」です。それぞれ波の性質や襲来のプロセスが異なります。
都心直下を震源とするタイプや相模トラフ沿いの巨大地震では、首都直下地震における東京湾への津波として、品川区や港区、江東区、大田区などの沿岸部で東京湾津波の想定高さは最大約2.5m前後(海抜ではなく東京湾平均海面基準)と試算されています。震源域が近いため、第一波の東京湾への津波の到達時間は最短で十数分から数十分と見積もられており、強い揺れの直後に沿岸部へ到達するスピード感が特徴です。
一方、南海トラフ巨大地震による東京湾への影響では、駿河湾や遠州灘などで発生した波が浦賀水道を経て東京湾奥へ進入します。到達までには1時間以上(70〜90分程度)の猶予があるものの、長周期の波が湾内で反射を繰り返し、数時間にわたって水位の乱高下や強い引き波が続く点が指摘されています。