ネット上のコミュニティ(SNSや大手知恵袋など)を定点観測すると、「したたかな人」を巡る生々しい声が日々投稿されています。そこには、賞賛と警戒心が入り混じったリアルな感情が渦巻いています。
大手IT企業に勤務する30代女性は、知恵袋の投稿で次のような手記を残しています。「同期で最速昇進した同僚は、誰に対しても絶対に悪口を言わない。上司の理不尽な要求にも笑顔で『勉強になります』と答えつつ、裏ではしっかり証拠のメールを保全し、いざというときは人事部に正式ルートで掛け合って自分の身を守っていた。泥を被らない身のこなしは、ずるいというより芸術的で、真似したい処世術そのものだった」。
また、5ちゃんねるの転職スレッドでは、ベテラン営業職による次のような現場観察が書き込まれ、大きな共感を集めていました。「若いうちは要領よく立ち回るやつを『腹黒い』と毛嫌いしていたが、40代になって痛感した。本当に仕事ができるやつは、全員例外なくしたたかだ。無駄な正義感で上司と喧嘩して潰れるやつより、上司をうまく手のひらで転がして予算を引き出してくるやつのほうが、結果として部下を守っている」。
現場のリアルな証言が共通して示しているのは、感情に任せて真正面からぶつかる「不器用な正直さ」よりも、清濁併せ呑んで状況を好転させる「しなやかな強かさ」のほうが、結果として組織全体にもたらす価値が高いという冷厳な事実です。