毎日ホームを利用する乗客への健康影響はあるのか。この点について、環境衛生工学の専門家は次のように冷静な分析を求める。
「ホームやコンコースなどの一般利用区域は通常、天井材によって仕切られており、直ちに空調を通じて大量のアスベストが吸入される可能性は低い。過度なパニックは不要だ。しかし、駅構内は列車走行に伴う強い『風圧』が常に発生する。万が一、空調ダクトや通気口を通じて微小な石綿繊維が漏れ出せば、長期間にわたる低濃度暴露のリスクを否定できない」
石綿は吸入してから中皮腫や肺がんを発症するまでに20年から50年という長い潜伏期間を持つ。「目に見えない粒子だからこそ、極めて厳格な情報公開と継続的な空気環境測定が不可欠だ」と専門家は強調する。