可憐な女子高生の外見とは裏腹に、他者の血を摂取してその人物に変身する異能を持つ彼女。だが、その狂気の裏には、幼少期に叩き潰された「生来の自分」という悲劇が隠されていた。
吸血欲求を伴う体質を持って生まれた彼女に対し、両親や周囲の大人たちは「異常」「悪魔の子」とのレッレッテルを貼り付けた。強制された「普通の少女」としての仮面。抑圧された欲求は歪んだ形で内面に澱のように溜まり、ついに中学の卒業式の日、決壊した。抑圧の果てに爆発した彼女の欲望は、既存の社会規範に対する苛烈な反逆へと昇華していくのだった。