玉虫厨子を実際に見学したいと考えた際、まず把握しておくべきは展示場所です。現在、玉虫厨子は法隆寺境内の「大宝蔵院(だいほうぞういん)」に安置されています。金堂や五重塔が並ぶ西院伽藍の奥、百済観音堂を中心とする大宝蔵院エリア内にあり、ガラス張りの免震・温湿度管理ケースの中で大切に一般公開されています。
法隆寺の拝観券(大人2,000円 ※西院伽藍・大宝蔵院・東院伽藍共通)を購入すれば、特別な事前予約なしに通年で鑑賞が可能です。間近で対面すると、全高約226.6cmという堂々たる佇まいに圧倒されます。上部の「宮殿部(きゅうでんぶ)」と下部の「須弥座部(しゅみざぶ)」から構成され、木造漆塗りの本体に透かし彫りの金銅金具が張り巡らされています。
文化庁の記録によると、玉虫厨子は昭和26年(1951年)に国宝指定を受けました。飛鳥時代(7世紀中葉)の木工・漆芸・金属工芸・絵画のすべてが奇跡的な保存状態で一体となっている作例は世界でも他に類を見ず、東洋美術史における第一級の学術的基準作となっています。