ネット上のレシピ情報の中には、手軽さを重視するあまり、かえって肉を硬くしてしまう誤った手順が見受けられます。調理の現場検証で判明した代表的な盲点を整理します。
最大の誤解は、「強火で一気に焼き色をつければ肉汁が閉じ込められる」という説です。厚みのある豚肉焼肉用を強火で熱すると、外側のタンパク質が急激に収縮して硬化し、内部に火が通る前に大切な肉汁が押し出されてしまいます。正しくは中火で表面にきれいな焼き色をつけた後、弱火に落としてフタをし、蒸し焼き状態で中心まで熱を通す方法です。
冷たい冷蔵庫から取り出してすぐにフライパンへ投入することもパサつきの大きな原因となります。肉の内部が冷たいまま加熱を始めると、焼きムラが生じ、中心温度が上がる頃には外側が加熱過多になってしまいます。調理開始の10〜15分前には冷蔵庫から出し、室温に近づけておくことが、均一な火入れを実現する重要なルールです。