都市機能の麻痺に伴い、物流(ロジスティクス)の完全停止という絶望的な事態が懸念される。道路に降り積もった微細な灰は路面を著しく滑りやすくし、車両のエアフィルターを目詰まりさせてエンジンを停止させる。陸上輸送がストップすれば、食料品や日用品の供給ラインは即座に途絶え、スーパーの棚はわずか数日で空っぽになる計算だ。
さらに木造住宅への被害も深刻だ。降雨によって水分を含んだ火山灰は重みを増し、家屋の屋根を押し潰す凶器へと変貌する。現代人が当然のように享受している快適な都市生活は、火山灰という僅かな地質学的産物によって簡単に砕け散る砂上の楼閣に過ぎない。