カメラの前では怒鳴り散らし、服を脱ぎ捨て、周囲を困惑させる破天荒な芸風を見せていた上島竜兵だが、レンズの向こう側にいたのは、誰よりも繊細で心優しい一人の男だった。出川哲朗は、カメラが止まった瞬間の上島の姿を今でも愛おしそうに語る。
ロケで激しく衝突するコントのようなやり取りを終えた直後、上島は必ず「出川ちゃん、さっきの言い方、痛くなかった?」「観客、引いてなかったかな」と小声で確認してきたという。誰かを傷つけていないか、自分の表現で行き過ぎた部分はなかったか。過激な笑いを提供しながらも、上島の心根には常に他者への細やかな配慮と、臆病なまでの優しさが宿っていた。
そんな上島の不器用な生き様を、出川は誰よりも深く理解していた。「竜兵さんは世界一のリアクション芸人であり、世界一優しい人だった」。出川が語るその言葉の端々には、盟友を失った深い喪失感とともに、彼と共に時代を駆け抜けたことへの誇りが満ちあふれている。