油屋にやってきた「オクサレ様」の体から引き抜かれたのは、自転車をはじめとする大量のゴミの山だった。泥を洗い流した後に現れたのは、威厳ある河川の主の姿である。
古来、日本人は自然のあらゆる要素に神が宿ると捉えるアニミズムの感性を育んできた。だが、無秩序な都市開発は川を汚し、埋め立て、神々の棲家を奪った。ハクの正体が「コハク川」という埋め立てられた川の神であったという事実は、人間の利便性と引き換えに抹消された自然の悲鳴を代弁する。泥に塗れた神を救い出す千尋の奮闘は、人間と自然との再和解に向けた希望の光と言える。