ゴイアニア被曝事故の真相|青く光る粉と廃病院放置が生んだ悲劇

ゴイアニア被曝事故の真相|青く光る粉と廃病院放置が生んだ悲劇

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若者たちは自宅の裏庭で、重たい鉛の遮蔽容器をハンマーやバールなどの工具を使って力任せに破壊しました。強固なカプセルに亀裂が入った瞬間、中から現れたのが塩化セシウムの粉末です。この粉末は、大気中の湿気を吸って青白く妖艶な光を放つ性質(空気の電離発光現象)を持っていました。

暗闇で幻想的に輝く粉末を目にした男たちは、これを「神秘的な宝物」あるいは「新種の火薬」だと思い込みます。数日後、解体された金属と容器は地元のスクラップ業者であるデヴァイル・フェレイラの解体場へ売却されました。デヴァイル氏もまた、暗室で異様な輝きを放つ粉末に魅了され、家族や近隣住民、知人を自宅に招いては「光る粉」を自慢げに披露したと当時の取材記録は伝えています。

粉末は小分けにされ、お守りや化粧のラメのように肌に塗りたくられたり、親戚への贈り物として手渡しされたりしました。目に見えない致死量のガンマ線とベータ線を放つ放射性物質が、人から人へと笑顔の中で手渡されていくという、あまりにも無知が生んだ痛ましい連鎖が繰り広げられたのです。

山口 彩花
著者

山口 彩花

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。