鬼滅の刃が他のバトル漫画と一線を画す点は、主要な女性キャラクターであっても容赦なく命を落とすリアリズムにあります。「誰が生き残り、誰が散っていったのか」――その結末には、作者・吾峠呼世晴氏の徹底したテーマ性が貫かれています。
無限城の最終決戦において、しのぶは姉の仇である童磨と対峙し、吸収される形で命を落としました。しかし、その死は決して無駄ではなく、後を託された栗花落カナヲと嘴平伊之助による決定打へと繋がります。カナヲが視力を失うリスクを承知で「彼岸朱眼」を解放し、しのぶの仇を討つシーンは、指示待ちだった少女が「自らの意志で選び取った闘い」としての感動を呼びました。
また、無惨戦終結後の甘露寺蜜璃と伊黒小芭内の最期は、ファンコミュニティで最も涙を誘った名場面の一つです。息絶える寸前にお互いの想いを伝え合い、「来世では絶対に結婚しよう」と誓い合う幕引きは、過酷な宿命を背負った戦士たちが最後に手に入れた人間としての幸福を象徴していました。
激戦を生き抜いたのは、人間に戻った竈門禰豆子、片目を失いながらも生き延びた栗花落カナヲ、そして蝶屋敷で負傷者を治療し続けた神崎アオイらです。彼女たちが紡いだ命は、最終回の現代編へと確かに受け継がれていくことになります。