最終決戦である「無限城編」において、無一郎は最強の上弦・黒死牟(こくしぼう)と相対します。ここで明かされたのが、時透家が黒死牟の人間時代(継国巌勝)の直系の子孫であるという衝撃の血脈でした。数百年の時を経て、鬼となった先祖と鬼殺隊の末裔が刃を交えることになったのです。
黒死牟の圧倒的な武力の前に、無一郎は左手首を切断され柱に串刺しにされるなど致命的な重傷を負います。しかし、不死川玄弥、不死川実弥、悲鳴嶼行冥が駆けつけるなか、自らの命が長くないことを悟った無一郎は、仲間を勝利へ導くために捨て身の特攻を決意しました。
胴体を両断されながらも黒死牟の体に日輪刀を突き立て、全身全霊の握力で刀身を「赫刀(しゃくとう)」へと変化させます。この内臓を焼き尽くす一撃が黒死牟の動きを止め、鬼殺隊最高戦力による同時攻撃を成功させる最大の決定打となりました。
戦いが終わると同時に、14歳の短い生涯を閉じた無一郎。命を落とした理由は、強大な先祖を討ち倒すために自らを盾とした壮絶な自己犠牲でした。あの世で兄・有一郎と再会した無一郎は、「無駄死にだ」と泣き崩れる兄に対し、「僕は幸せになるために生まれてきたんだ」と笑顔で返し、固い抱擁を交わしました。