手取り額を直接左右する保険料の算定ロジックには、両者の間で根本的な思想の違いが存在します。
社会保険料の労使折半の仕組みと標準報酬月額
詳細を見る社会保険(健康保険・厚生年金)の保険料は、毎年4月〜6月の給与平均から算出される「標準報酬月額」に、保険料率を掛けて計算されます。
特筆すべきは社会保険料の労使折半の仕組みです。例えば、健康保険料率が約10%に設定されている場合、従業員が負担するのは半分の約5%のみで、残る5%は企業が支払います。さらに、社会保険の運営母体には中小企業中心の「協会けんぽ」と大企業主体の「組合健保」があり、協会けんぽと組合健保の違いにも注目が必要です。財政基盤が強固な大手企業の健康保険組合では、料率が低く抑えられていたり、高額療養費の自己負担上限をさらに引き下げる付加給付が充実していたりします。
国民健康保険料の計算方法と地域格差
一方、国保には会社のような補助者がいないため、全額を加入者自身が納めなければなりません。国民健康保険料の計算方法は各自治体によって異なりますが、主に以下の3〜4要素を合算して世帯ごとに計算されます。
- 所得割:前年の総所得金額等に応じて課税(前年が高収入だと跳ね上がる)
- 均等割:加入者1人あたり一律にかかる金額(人数分加算)
- 平等割:1世帯あたり一律にかかる固定額
- 資産割:所有する固定資産に応じて課税(廃止する自治体が増加中)
国保の保険料は前年の所得をもとに算出されるため、会社を辞めた初年度に「現役時代の高年収ベースで計算された高額な国保納付書」が届き、資金繰りに窮するケースが後を絶ちません。