女優・南果歩を語る上で、過酷なプライベートの軌跡を切り離すことはできない。1995年に芥川賞作家でミュージシャンの辻仁成と結婚し、一子を授かるも後に離婚。その後、2005年には世界的スターである渡辺謙と再婚し、国内外のレッドカーペットで仲睦まじい姿を見せて大きな話題を呼んだ。しかし、長年の連添いの末に訪れた二度目の離婚は、大きなニュースとして社会に衝撃を与えた。
世間の過剰な好奇や連日の報道は、精神的に計り知れない負荷となったはずだ。しかし彼女は決して打ちのめされた姿を見せなかった。波乱に満ちた離婚劇を経て掴み取ったのは、他者に自己の存在を委ねず、自分の足で人生の重みに立ち向かうという強い自立心だ。私生活での痛みや孤立感さえもすべて演技の糧へと昇華させる強靭な精神性が、現在の彼女の芝居に深い味わいを与えている。