国立代々木競技場は、単なるイベント会場にとどまらず、日本が世界に誇る名建築遺産としての顔を持ちます。1964年の東京オリンピック水泳・バスケットボール会場として建設され、設計は世界のタンゲこと丹下健三氏が担当しました。
最大の特徴は、2本の主ケーブルから屋根全体を吊り下げる高張力吊り屋根構造です。この画期的な構造設計により、柱が1本もない巨大な無柱空間が実現し、どの観客席からも競技やステージをクリアに見渡せる機能美が完成しました。第一体育館の流麗なカテナリー曲線を描く屋根と、第二体育館の1本の主柱から螺旋状に屋根を吊り下げるダイナミックな造形は、半世紀以上が経過した2026年の現在も色褪せることなく、国内外の建築ファンから高い評価を集めています。国の重要文化財にも指定されており、訪れた際は外観の造形美にもぜひ注目してみてください。