こうした熱狂的なファンの行動や心理は、フィクションの世界でもリアルに描かれる機会が増えた。女性アイドルの熱狂的ファンを描いた『推しが武道館いってくれたら死ぬ』のような作品が共感を呼ぶ一方で、夜の街や複雑なファン心理の歪みを描いた『明日、私は誰かのカノジョ』などの漫画作品は、現代のメンズ地下アイドルに通う若者のリアルな葛藤や人間関係を克明に提示している。
これらの作品が幅広い読者に支持される背景には、単なるカルチャーの紹介にとどまらず、現代人が抱える寂しさや「誰かに必要とされたい」という本音を鋭く穿っているからにほかならない。現実と物語が相互に響き合いながら、推し活文化はより身近で、かつ多角的な広がりを見せている。