本作が遺した功績を振り返る際、原作者である金田一蓮十郎の非凡な才能と、アニメーション監督の水島努による演出の化学反応に触れないわけにはいかない。金田一蓮十郎が十代の若さで世に放った原作は、切れ味鋭い毒気と登場人物たちの生々しい感情の揺らぎが同居する、極めて独創的なシュールコメディだった。
その原作の熱量をアニメーションとして爆発させたのが、シンエイ動画と水島努の手腕である。ハイスピードで繰り出される台詞の応酬、ギャグアニメの常識を覆す大胆な作画崩壊と美麗な作画の緩急、そして声優陣の鬼気迫る演技指導。これらが融合した結果、単なるコメディの枠に収まらない、観る者の脳裏に焼き付く映像表現が完成した。
このタッグが生み出したテンポ感とシニカルなユーモア感覚は、以後のギャグアニメの演出手法に多大な影響を与えた。感情のジェットコースターを視聴者に強いる演出設計は、現在のアニメ表現の礎のひとつとなっている。