湯船に入った瞬間、皮膚の薄い部位や傷口に走る鋭い刺激。ネット上でも「農薬のせいではないか」と疑われるケースが散見されますが、肌がピリピリ痛む最大の原因は果皮に含まれる精油成分「リモネン」です。
柑橘類の爽やかな芳香を構成するリモネンは、優れたリラックス作用を持つ一方で、油分を強力に溶かし出す界面活性作用を持っています。生の皮を強く揉んだりそのまま浴槽に浮かべたりすると、果皮の油胞(油の詰まったカプセル)が破れて高濃度の精油が水面に浮上します。これが肌表面のバリア機能を担う皮脂膜を一時的に奪い去り、無防備になった角質層へ直接刺激を与えてしまうのです。
特に冬場は空気の乾燥によって肌の水分保持力が低下しており、刺激に対して過敏になっています。敏感肌の方やアトピー体質の方、皮膚が薄い太ももの内側や首筋、陰部周辺などにピリピリとした灼熱感を伴う肌荒れが生じるのは、この化学的メカニズムによるものです。