防衛相退任後、彼女が再び脚光を浴びたのはLGBT理解増進法案の推進過程だった。かつて過激な言論で保守派の象徴と見なされていた彼女が、性的指向や性自認への理解を促す法案の主導的な役割を果たしたことは、多くの岩盤保守層に激しいショックを与えた。
自由民主党内部では激論が交わされ、「リベラルに転身した」「従来の支持者を裏切った」という怒りの声が相次いだ。稲田氏は法案の必要性を訴え続けたが、党内右派との溝は深まるばかりだった。理念の変遷なのか、政治的実利なのか。彼女の姿勢を巡る議論は、党内のイデオロギー的断裂を象徴する出来事となった。