かつては当たり前だった「子供が後を継ぐ」という親族内承継は、少子化や職業選択の自由化により、全体の3割程度にまで低下しました。現代の中小企業事業承継問題においては、親族内承継とM&Aをフラットに比較検討する柔軟性が求められます。
近年急速に一般化した第三者承継(スモールM&A)は、同業他社や成長意欲の高い大手企業に会社を売却し、従業員の雇用と技術を確実に残す有効な手段です。後継者がいない企業であっても、独自の技術や強固な顧客基盤があれば、買い手企業が見つかる可能性は十分にあります。
また、自発的な引退が難しい構造を組織的に打破するため、中小企業においても役員定年制の導入を進める企業が増加しています。「満70歳で代表権を返上し、以降は相談役としてバックアップに回る」といったルールをあらかじめ定款や内規に定めておくことで、社長個人の感情に左右されず、計画的な権限委譲が実現します。