化野念仏寺が一年の中で最も特別な表情を見せるのが、毎年8月下旬(例年第4土曜日・日曜日)に執り行われる「千灯供養(せんとうくよう)」です。
夕暮れとともに、西院の河原に並ぶ無数の石仏・石塔の前にロウソクが灯され、揺らめく灯火が境内一面を満たします。数千の炎が無縁仏の霊を慰める光景は、宗教的儀礼の枠を超えて息をのむほどの幻想美を誇ります。なお、近年の千灯供養は安全管理と厳粛な法要維持のため、事前予約・往復はがき等による参列券の取得が必須となっている場合が多いため、夏の参列を検討する際は必ず寺院の公式告知を確認してください。
また、境内奥には隠れた名所として知られる「竹林の小径」があります。嵐山中心部の「竹林の小径」が多くの観光客で賑わうのに対し、化野念仏寺の竹林は驚くほど静寂に包まれており、竹の葉が擦れ合う微かな音と木漏れ日の中で、瞑想的な散策が楽しめます。
秋の紅葉の見頃は例年11月中旬から12月上旬です。苔むした境内と石仏の灰色、そして頭上を覆う深紅のカエデの対比は、京都屈指の情緒的な景観として高く評価されています。