彼女の魅力が爆発するヒッポリュテの名シーンは、椿との交流シーンと宿敵との戦闘シーンの両方に散りばめられています。
もっとも象徴的なのは、椿の意識が作り出した疑似空間「夢の街」での対話です。自分がすでに現実世界で身体の自由を奪われていることすら自覚していない椿に対し、ヒッポリュテは決して真実を突き放すような真似はせず、彼女の不安をすべて受け止めます。「私が貴方の剣となり、盾となりましょう」と誓うその佇まいは、王としての威厳と母としての慈愛に満ちており、Fake屈指の名場面として語り継がれています。
また、神話で自身を死に至らしめた因縁の相手であるヘラクレス(アルケイデス)との遭遇戦も見逃せません。復讐心に囚われて暴走するのではなく、武人として正面から対峙し、理不尽な神の運命に翻弄された過去を受け入れつつも「今守るべきもの」のために命を賭して弓を引く姿は、神々しいほどの美しさを放っています。