重曹の優れた消臭力に味をしめ、あらゆる履物に流用しようとすると取り返しのつかないトラブルに発展します。特に最大の禁忌とされているのが、革靴 重曹 消臭 NG行為です。
天然皮革(本革)は、動物性タンパク質(コラーゲン繊維)に油分や水分を絶妙なバランスで浸透させる「鞣(なめ)し」技術によって柔軟性と耐久性を保っています。皮革製品の至適pHは弱酸性(およそ4.5〜5.5)です。ここに弱アルカリ性の重曹粉末を直接振りかけたり、高濃度スプレーを大量噴霧したりすると、以下のような致命的な劣化を引き起こします。
第一に、アルカリ成分が革内部の必要な油脂分を鹸化(けんか)して奪い去り、革繊維の激しい脱脂と硬化を招きます。その結果、歩行時の屈曲部分から表面がひび割れて裂けるリスクが跳ね上がります。第二に、重曹の塩分が革の毛細管現象によって銀面(革の表面)へ浮き出し、拭いても拭いても取れない「塩吹き(白ジミ)」を固着させてしまいます。高級ビジネスシューズやパンプスに重曹を使用する場合は、決して直入れやスプレー噴霧をせず、密封された布袋やお茶パックに入れた状態で「インソールに粉が触れない間接配置」を厳守しなければなりません。
対照的に、水洗いが可能なキャンバス地やメッシュ素材の運動靴であれば、スニーカー 重曹 つけ置き洗いが極めて効果的なリセット術になります。
バケツに約40〜45℃のぬるま湯4リットルを張り、重曹大さじ3〜4杯(約45〜60g)をよく溶かします。そこにインソールや靴紐を外したスニーカーを完全に沈め、30分から最長1時間程度つけ置きします。靴底にこびりついた皮脂汚れがアルカリによって乳化して浮き上がり、繊維深部のイソ吉草酸が一気に中和されます。その後、ブラシで軽く擦り洗いをし、水で入念にすすぎます。すすぎ残しがあると紫外線に反応して黄色く変色(アルカリ焼け)する恐れがあるため、最後のすすぎ水に小さじ1杯のクエン酸を混ぜて中和すすぎを行うと、黄ばみ防止と繊維の柔軟化を同時に達成できます。