かつての中島健人といえば、スラリとした細身のプロポーションにしなやかな所作がトレードオフとなった「中性的な美少年」のパブリックイメージが定着していました。しかし、20代半ばから後半にかけて、そのシルエットは劇的な変貌を遂げます。胸板には確かな厚みが生まれ、肩から腕にかけては隆起した筋繊維が走り、鍛え抜かれた腹筋が陰影を刻むようになりました。
取材関係者やエンタメ誌のインタビューで本人が繰り返し語っているのは、「言葉に説得力を持たせたい」という表現者としての強烈な飢餓感です。甘いセリフや華やかな演出に頼るだけでなく、画面に映る立ち姿そのものに説得力を宿すこと。映画やドラマにおいてリアリティのあるアクションやシリアスな役柄に挑む際、薄い身体では表現できない重厚感や緊迫感を宿すため、彼は自らに過酷なフィジカルトレーニングを課しました。
「身体は絶対に嘘をつかない。自分が流した汗の量だけ、自信となってステージやカメラの前に立てる」――当時のドキュメンタリー番組や手記で語られたこの言葉通り、彼の肉体改造は単なるルックス向上ではなく、エンターテイナーとしての覚悟の具現化にほかなりませんでした。