インテル入ってる CMが視聴者の記憶に焼き付いて離れない最大の要因は、視覚と聴覚を同時にハックする「サウンドロゴ(ジングル)」の存在です。あの「ポン、ポポン、ポポン」という5音のメロディ(変ニ長調:D♭ - D♭ - G♭ - D♭ - A♭)は、オーストリアの作曲家ウォルター・ワーゾワ(Walter Werzowa)氏が1990年代初頭に制作を手掛けました。
ワーゾワ氏はインタビュー等で、シンセサイザーの音色にマリンバやベル、さらには火花のようなスパーク音を重ねることで、「魔法のような革新性と親しみやすさ」を同時に表現したと回想しています。わずか3秒に満たないこの短い効果音は、音響心理学に基づき人間の脳に快感と強い記憶定着をもたらす設計が施されていました。
さらに日本国内の歴代CMでは、ナレーションの声質にも徹底的なこだわりが反映されてきました。長年にわたり、マーク・大喜多氏をはじめとする実力派ナレーターや声優が起用され、落ち着きと信頼感を与えるトーンで「インテル、入ってる」という決め台詞を吹き込んできました。時代によって女性ナレーターの柔らかい声や、リズミカルで軽快なアレンジが採用されるなど、プロセッサーの進化とともに音響ブランディングもマイナーチェンジを繰り返しています。