イーストフードが攻撃される際、特に名指しされやすいのが塩化アンモニウムという成分です。「毒劇物の仲間ではないか」「工業用の薬品をパンに入れている」といった誤解が広まった歴史があります。
塩化アンモニウムは、酵母に窒素源を補給するための無機塩類であり、酵母の代謝を劇的に高める働きを持っています。名前に「アンモニウム」と付くため刺激性の強い薬品を連想させがちですが、発酵の過程で酵母によって消費され、焼き上がりの段階ではパンの中にほとんど残留しません。
世界保健機関(WHO)と国連食糧農業機関(FAO)の合同食品添加物専門家会議(JECFA)においても、パンの製造用剤としての使用は安全と評価されています。いたずらに化学物質名だけを切り取って恐怖心を煽る言説に、科学的妥当性はありません。